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けものフレンズ1話感想その14:かばんちゃんとサーバルが「友達」になる意味

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諸注意

前回記事 【1話 その13】アニメ感想「けものフレンズの謎」:紙飛行機の謎と、涙を見せない別れ

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【Bパート 2人の別れと再会】

前回に引き続き、サバンナちほーとジャングルちほーを結ぶゲートにおけるかばんちゃんとサーバルの別れのシーンを考察します。前回は場面と演出に注目して2人の心情を読み解きましたが、今回は表情の変化から2人の関係性の変化を考察してみましょう。

かばんちゃん:ありがとうございました。ホントに・・・。サーバルさんがいなかったら・・・僕・・・。

かばんちゃんがこのセリフを言うシーンで注目してもらいたいのは、視線の変化です。「ホントに・・・」というシーンで、かばんちゃんは一旦サーバルから視線をそらしています。皆さんも、泣きそうになって涙を我慢しているときを想像してもらえばわかると思いますが、「相手から目線をそらして1点を凝視する」のは涙をこらえるときの典型的な仕草です。前回、「かばんちゃんは涙をこらえるような様子が見られる」と私が断じたのはこの仕草が理由です。

子が親の元を離れるように、必然となった別れ

では、この瞬間のかばんちゃんは一体どういう気持ちなのでしょうか?今までの解説を通じて、かばんちゃんにとってのサーバルは「何もわからない自分を守り、導いてくれる頼りになる存在」であると解釈してきました。たとえるならこのシーンは、「野生動物の子どもが独り立ちして、親と別れるシーン」なのです。

キャラクターの「成長」を描くにあたって、自分を守ってくれる存在や、頼れる存在との別れは必要不可欠なものです。かばんちゃんは1話を通じて短い時間ながらたくましく成長しました。もうサーバルに守ってもらわなければならない存在ではありません。そのため、この別れが必然のものであることは理解しています。

つまり、このシーンのかばんちゃんがセリフの裏でサーバルに対して本当にいいたいことというのは、「今まで守ってくれてありがとう。自分も成長したから、もう守ってもらわなくても大丈夫」といったような内容でしょう。

一方のサーバルは、かばんちゃんに対して次のような言葉をかけます。

サーバル:かばんちゃんはこんなにすっごい技を持ってるんだもん。何があっても大丈夫だよ。

これは、上述した「かばんちゃんがほんとうに言いたかったこと」に対する回答になっていると見るべきでしょう。つまり、保護者・庇護者であったサーバルが「もうひとりでやっていける」と太鼓判を押してあげた、というふうに解釈できます。

なぜ2人はその後一緒に旅を続けたのか?

本来であれば、これで2人の関係は終わるはずでした。「かばんちゃんという『子』が、サーバルという『親』から離れ、独り立ちする」、それでストーリーとしては一通り成り立っているからです。しかし、実際にはそうならず、2人はこの後再開を果たします。なぜそうなったのか、理由を考察してみましょう。

実際、私は初視聴時、2人が再開して一緒に旅を続けることに疑問をいだいたことを覚えています。この後、かばんちゃんはジャパリパークの各地でさまざまなフレンズと出会いますが、そのすべてと出会ったちほーの中で別れています。唯一、サーバルだけが多数のちほーを股にかけて最後まで行動をともにしてくれました。

「なぜ、サーバルだけが特別なんだろう?」といった疑問を持った上で、再び第1話を見直したときに、今まで記事で考察してきたような内容に気がついたというわけです。

「親子の関係」は第1話をもって終わった

「かばんちゃんにとってサーバルが特別な存在である理由」というのは明らかです。子どもにとって母親が特別な存在であるように、生まれて初めて出会った相手だからです。では、「サーバルにとってかばんちゃんが特別な存在である理由」はどうでしょうか?

サーバルにとって、かばんちゃんがほかのフレンズとは違うところ、それは「自分のことを頼りにしてくれた」という点です。今まで「ドジー」「ゼンゼンヨワイ-」と言われていた自分のことを、初めて頼りにしてくれる存在が現れたのです。親にとって我が子が特別な存在であるのと同じように、サーバルにとってもかばんちゃんは特別な存在であった、といえるでしょう。

しかし、そのように解釈すればなおさら、「なぜ2人は別れた後再会を果たしたのか?」という疑問が残ります。考えられる答えはひとつ。「親と子」「保護者と被保護者」という2人の関係性に変化が生じたからです。

親子から友人へ

ヒントとなる言葉は、直後のサーバルのセリフの中にも現れています。

サーバル:そうだ!今度会ったときは「サーバルちゃん」って呼んでね。話し方ももっと普通に、もうお友達だから

サーバルはなぜ、かばんちゃんにこんな提案をしたのでしょうか?「呼び方を変える」というのは、「相手との関係性を変える・変えたい」ということを意味しています。たとえば、友人のことを名前ではなくあだ名で呼び始めたなら、それは「以前より仲良くなった」ということを意味するでしょう。仲がいい異性のことを名前で呼ぶようになったなら、恋人の関係になったことを意味することもあるかもしれません。

つまり、サーバルが自分を「サーバルちゃん」と呼ぶように言ったのは、「自分の中でかばんちゃんとの関係性が変わった」、あるいは「変わりつつある」ということを意味しているといえます。

では、サーバルの中のかばんちゃんとの関係性は、以前とどのように変化したのでしょうか?すでにお伝えしてきているように、サーバルの中のかばんちゃんのイメージは「自分を頼りにしてくれる存在、守ってあげなければいけない相手」でした。しかし、そのかばんちゃんは成長を遂げ、すでに守ってあげる必要も、自分を頼る必要もなくなりました。

ですが、お互いにそういう状態になったのを理解しているにもかかわらず、サーバルとかばんちゃんは日が暮れるまでなかなか別れず一緒にいました。これは2人ともお互いに「頼るか、頼られるかなんていうことは関係ない。とにかく一緒にいたい」と思える間柄に変化した、といえるでしょう。

実際の人間関係でも、「最初は上下の関係があったが、後に対等な関係に変化した」というケースはよくあります。アニメ作品で例えるなら、

  • 「機動戦士ガンダム」におけるアムロ・レイとブライト・ノアの関係(軍隊の上司・部下から対等な友人へ)
  • 「新世紀エヴァンゲリオン」における、碇ゲンドウと冬月コウゾウの関係(師と教え子から同士へ)

といった関係性の変化があります。サーバルの提案は、「これからは今までの関係にとらわれずに、友達としての関係を築こう」という提案だったと考えられます。

とはいえ、新しい関係性を築くには、今の関係性を一旦終わりにしなければいけません。そのためにも別れは必要です。ですから、サーバルとかばんちゃんは「一度別れてその後再開する」という演出が取られたのだと推測できます。この「互いの関係性を変えるために、一度分かれて再開する」という演出は、今後のストーリーの中で再び登場することになります。けものフレンズを代表する、印象的な演出であるといえるでしょう。

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けものフレンズ
Posted with Amakuri at 2018.3.14
ヤオヨロズ
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