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バーチャルYoutuber(Vtuber)はなぜ面白い?既存のコンテンツの違いを考察

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バーチャルYoutuber(Vtuber)は2016年に誕生した新しいコンテンツの形です。既存のコンテンツと比較すると、明確に異なる特徴をいくつも持っています。今回は、そうしたバーチャルYoutuber特有の斬新さ、新しさについて考察してみました。

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コンテンツとしてのバーチャルYoutuberの特徴

バーチャルYoutuberは、「2D・3Dモデルを持ったキャラクターが生配信や投稿動画で動き、喋るコンテンツ」です。これらの特徴は以下のように分解できます。

  • ITが活用されている
  • タレント性を持ったキャラクターが核となっている
  • 動画コンテンツである

それぞれの要素は、バーチャルYoutuber登場以前に存在していた既存のコンテンツにも含まれています。従って、各要素を含む既存のコンテンツとの違いを比較することによって、バーチャルYoutuberだけが持っている独自性より詳細に把握することができるはずです。

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ITが活用されたコンテンツとの比較

匿名掲示板との違い

「5ちゃんねる」に代表される匿名掲示板は、共通の話題について不特定多数の人とコミュニケーションをとる手段として多くの人々に利用されてきました。日本中・世界中から閲覧者や投稿者が集まるため、集合知のメリットにより価値ある情報が蓄積される場合もあります。一方で、誹謗中傷が起きるなど負の側面があることも否定できません。掲示板そのものや、過去の投稿を記事化した「まとめサイト」は「ITによって生まれたコンテンツ」だと評価できます。

バーチャルYoutuberが匿名掲示板と最も異なっている点は、人々がコンテンツに集まる理由でしょう。匿名掲示板が「トピックありき」なのに対して、バーチャルYoutuberは「キャラクターありき」のコンテンツです。同じVtuberを継続的に視聴する場合、「何をやっているか」よりも「誰がやっているか」が重視される傾向が強くなります。たとえば、同じゲームを別々のVtuberがプレイしている場合、「どちらのVtuberのほうが好きか」が視聴するほうを選ぶにあたってのポイントになります。

ブログとの違い

誕生した当初「インターネット上の日記」と呼ばれていたブログは、個人が意見を発信する手段として定番の存在になりました。通常、ブログを運営する主体は個人、あるいはひとつの団体です。「コンテンツの提供者が決まっている」という点はバーチャルYoutuberと共通しているといえるでしょう。

逆に異なる点は「情報が一方通行であること」、「コンテンツの主体は動画ではなく、文字であること」です。多くのブログには閲覧者がコメントを残す機能もあるので、双方向のコミュニケーションができないわけではありませんが、基本的には「コンテンツ提供者による情報発信」がメインになります。ブログの1記事はおおよそ1000~10000文字程度で、5~15分程度の時間で閲覧できる場合がほとんどです。

バーチャルYoutuberは、双方向性のコミュニケーションが可能な、動画を主とするコンテンツです。投稿動画は数分~数十分程度の尺に収まるケースが多いですが、生放送となると1~3時間以上に上ることも少なくありません。

SNSとの違い

「誰でも気軽に思ったことをその場でつぶやける」手段として親しまれているのがSNSです。SNSは「つぶやき」ができるサービスの総称であり、利用できる機能は基本的に誰でも変わりません。しかし、知名度がある人や面白いつぶやきをするに人は多くの人にフォローされ、そうでない人にはあまり人気が集まらないという特徴を持っています。

「コンテンツ提供者の人気によって情報発信力に差が生じる」という点は、バーチャルYoutuberと共通している部分だといえるでしょう。文字や画像だけでなく動画を共有することもできるため、バーチャルYoutuberの多くは自己PRやファンとのコミュニケーションのためにSNSを活用しています。従って、SNSとバーチャルYoutuberは別々のコンテンツと捉えるよりは、「コンテンツとしてのSNSの一部に、バーチャルYoutuberも含まれる」と捉えたほうが正確かもしれません。

タレント性が重視されるコンテンツとの違い

二次元(アニメ・漫画・ゲーム)との違い

二次元のキャラクターが登場するアニメ・漫画・ゲームなどのコンテンツ群では、登場キャラクターの個性が作品全体の魅力に重大な影響を及ぼします。たとえば、漫画作品がアニメ化される場合、ファンの多くは「自分のお気に入りのキャラクターがいつ登場するか」を気にするものですし、漫画やアニメの実写化が行われるときには、「お気に入りのキャラクターを誰が演じるか」にやきもきする人も少なくありません。

二次元コンテンツのキャラクターは、基本的にストーリーに沿って決められた役割しかこなしません。ゲームなどではストーリーに分岐が生じることもありますが、自分の意志で考え、リアルタイムで行動することはないのです。それに対してバーチャルYoutuberはキャラクターが自分の意志で自由に動きます。もちろん、決められたストーリー(台本)がある投稿動画もあるはずですが、ほとんどの場合、Vtuberたちはその都度、自分の判断で行動し、毎回異なるリアクションを見せてくれます。生放送ともなれば、Vtuberがどんな言動をするかまったく予想がつきません。そうした「予測不可能性」を持っているという点にVtuberの独自性があります。

アイドルとの違い

タレント性が重要視され、近年特に広まったコンテンツとしては「アイドル」が挙げられます。アイドルもプロモーションビデオなどでは決められた言動をしますが、ライブなどのイベントやテレビメディア上での活動などは基本的に自分の意志で動きます。この点はバーチャルYoutuberと共通しているといえるでしょう。

しかし、一見すればわかる通り「キャラクターがバーチャルな存在であるかどうか」という点が決定的に違っています。Vtuberの中には、実際の自分の見た目に近いモデルを使っている人もいますが、外見どころか性別や種族(人間以外の動物・モンスターなど)がまったく違っているケースも珍しくありません。理論上「自由に好きな外見を選ぶことができる」という点はVtuber独自の特徴でしょう。

ゆるキャラとの違い

バーチャルYoutuberと複数の共通点を持っているコンテンツに「ゆるキャラ」があります。企業や自治体、特定の団体などを象徴する存在であるゆるキャラは、イベントに参加するなどしてPR活動を行っています。Youtubeなどの動画投稿サービスにアカウントを持ち、動画コンテンツを配信しているゆるキャラも中には存在します。以上の点を見ると、企業勢と呼ばれる、団体に所属して活動するバーチャルYoutuberと多くの共通点を持っていることがわかるはずです。

また、東京ヤクルトスワローズのマスコットキャラクターである「つば九郎」のように、ユニークで自由な言動が人気のキャラクターも数多くいます。「決められたストーリーに縛られない」という点でもVtuberとの共通点が見いだせるでしょう。

逆に、バーチャルYoutuberと比較すると「リアル世界での活動の可否」、「ファンとのコミュニケーションの程度」に違いが存在します。バーチャルYoutuberは一部例外もありますが、原則としてリアルのイベントに参加することはできません。ディスプレイなどを用意し、姿を映し出すことはもちろんできますが、画面から出て人々と直接触れ合うことは不可能です。

ゆるキャラはというと、握手などファンと直接触れ合う活動は可能ですが、ほとんどのキャラクターがしゃべらないため会話でのコミュニケーションは難しいと言えます。なかには声を出したり、筆談したりして意思疎通ができるキャラクターもいますが、その多くが設定上そもそも「人間ではない」ため、人間と会話するレベルのコミュニケーションが難しいケースがほとんどです。

その他の動画コンテンツとの違い

リアルYoutuberとの違い

そもそも「Youtuber」とは、主に収益化を目的としてYoutubeに継続的な動画投稿を行う人々のことを指していました。従って「バーチャルYoutuber」という言葉には、現実世界の人間である(リアルの)Youtuberと対比させる意味合いが込められていると考えられます。

リアルYoutuberとバーチャルYoutuberの明確な違いとしては「リアル世界での活動の可否」が挙げられるでしょう。ゆるキャラとは異なり、ファンとのコミュニケーションの程度に大きな違いはありません。

投稿動画コンテンツとの違い

Youtubeだけでなく、ニコニコ動画など動画を共有し不特定多数に公開できるサービスは少なくありません。これらの動画共有サイトには、自作のおもしろ動画を公開する人もいれば、アニメなどのプレイ動画、「歌ってみた」動画など数多くのユニークな動画コンテンツが存在します。こうしたコンテンツをまとめるのは簡単ではありませんが、仮に「投降動画コンテンツ」として一括りにするのなら、これらとバーチャルYoutuberにはどのような違いがあるでしょうか?

技術的な違いとしては「リアルタイム性の有無」が挙げられます。ライブストリーミングを除くのならば、動画共有サイトのコンテンツは基本的に閲覧者が好きなときにいつでも再生できますが、逆に大勢で同じ生配信を見たときに得られる一体感を得ることはできません。ただし、ライブ配信を行わず投稿動画をメインで活動しているバーチャルYoutuberもいるので明確な相違点とは言い切れないでしょう。

ライブストリーミング配信との違い

プロゲーマーやアイドル、お笑い芸人などを始めとして、ライブストリーミング配信を行う人々は数多くいます。これら既存のライブ配信とバーチャルYoutuberはどのように異なっているのでしょうか?ちなみに、利用する動画配信サービスによっても変わりますが、多くの場合ライブ配信は投稿動画としてアーカイブされるため、仮にリアルタイムで視聴できなくても事後的に閲覧することも可能です。

最大の違いは、投稿者本人のタレント性と動画配信そのものが「不可分」と言えるかどうかでしょう。バーチャルYoutuberは基本的に映像の中やネット上でしか活動できないため、「動画配信ができない」となると事実上活動できなくなってしまいます。一方、プロゲーマーやアイドルは動画配信ができないからといって、活動できなくなってしまうわけではありません。リアルのイベントに参加したり、関連グッズを販売するなど、ほかの方法で活動していくことは十分に可能です。

バーチャルYoutuber(Vtuber)の特徴と独自性

以上の比較から、バーチャルYoutuberのコンテンツとしての独自性は次のようにまとめることができます。

中核をなすキャラクターがバーチャルな存在である

外見を自由に選べるというメリットがある代わりに、リアルの活動がほとんどできないというデメリットがあります。

最も重要な要素は「キャラクター本人」である

バーチャルYoutuberが提供するコンテンツでは「何をやったか」よりも「誰がやったか」が最も重視されます。Vtuber本人の個性が人気を大きく左右しますが、リアルの活動がし辛いという弱点を抱えているため、多くのVtuberはSNSを活用して積極的にファンや同業者との双方向コミュニケーションに努めています。

「キャラクター」と「動画」が一体不可分な存在である

Vtuberが提供するコンテンツの大半は、投稿動画とライブ配信です。SNSでの活動を除けば、キャラクターが個性を発揮できるのは動画内・ライブ配信内に限られるため、事実上キャラクターそれ自体と動画コンテンツを分けることができません。リアルタイム配信はファンとのコミュニケーションの場を兼ねるため、近年は重要視される傾向が高まっています。

ネット社会の変化がバーチャルYoutuberを生んだ

現代社会のテクノロジーの発展はめざましく、人々の嗜好も細分化し目まぐるしい速さで世界は変化し続けています。ネット上に限るなら、近年特に大きな技術的発展と言えるのが、ライブストリーミングを含めた「動画配信」や、SNSによる「不特定多数との情報共有・情報交換」が容易になったことが挙げられるでしょう。

バーチャルYoutuberは、こうした技術・社会の変遷にうまく対応する形で業界を徐々に拡大してきました。今回明らかになったバーチャルYoutuber独自の特徴は、どれも動画配信やSNSと相性のいいものばかりです。多くの人々が利用し、もはやネットインフラのひとつとなったそれらの要素と、コンテンツの核となる部分の親和性が高かったことが、急速な業界の広がりを可能にした原因ではないでしょうか。

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