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ノイエ銀英伝6話感想・考察その4「イゼルローン要塞の2人の司令官」

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6話「イゼルローン攻略(前編)
~イゼルローン攻略作戦スタート~

帝国領と同盟領の間には、航行不能の宙域があり、わずかに通り抜けられるルートにイゼルローン要塞はある。その要塞には、二人の帝国軍大将がいる。

ひとりは、要塞司令官シュトックハウゼン大将。いまひとりは、要塞駐留艦隊司令官ゼークト大将である。同一の職域に同格の司令官が二人いる状況は、感情的な対立を生んだ。彼らは互いに軽蔑し、罵り合いながらも同盟軍の攻撃があるたび、功を競って譲らず、その結果、おびただしい戦果を挙げてきたのである。

そんなイゼルローン要塞では、2日間の間周辺の通信が撹乱されていた。シュトックハウゼンとゼークトが対応を話し合う中、突如要塞に近づく戦闘艦からの通信が傍受された。通信によれば、密命を受けて帝国領内に侵入していた帝国軍艦艇が、同盟軍に補足され追撃を受けているということであった。

ゼークトは友軍を救うための出撃を主張するが、幕僚であるオーベルシュタイン大佐は「敵の罠だ」として反対の意を示す。シュトックハウゼンもこれに同調したが、結局ゼークトは出撃してしまう。

出撃した要塞駐留艦隊が逃亡中の友軍艦を補足する前に、イゼルローン要塞のスクリーンが友軍艦の姿を捉えた。通信の通り、同盟軍に追われていたが、要塞側が反撃の意思を示すと追撃を中断し撤退していった。

直後、逃亡してきた友軍艦から要塞司令部に通信が入る。艦長「フォン・ラーケン少佐」による、要塞司令官に対する至急の面会要請だった。

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「2人の同格の司令官」がつけ入るスキを生んだ

久方ぶりに場面は同盟側から帝国側に移り、いよいよ始動したイゼルローン要塞攻略作戦の様子が描かれます。帝国側の描写で重要なのは、「シュトックハウゼンとゼークトが対立している」という部分でしょう。これらの情報は当然同盟側も掴んでいるはずですから、作戦を計画するにあたって付け込まない手はありません。

シュトックハウゼンは要塞司令官ですから、要塞の防衛に関して責任を持っています。もし、回廊内で同盟軍との戦闘になり、ゼークト率いる要塞駐留艦隊が敗北を喫したとしても、それはあくまでゼークトの責任です。

一方、ゼークトの方はあくまで自分が指揮する艦隊の運用結果について責任を持っています。要塞自体の防衛に関してはシュトックハウゼンの責任範囲なので、彼が考慮する必要はありません。2人の司令官が存在することで、イゼルローン要塞の防衛にはセクショナリズムが生じているわけです。とはいえ、劇中でも語られたとおり、いざ同盟軍との戦いとなれば彼らも協力して進行を阻むでしょうし、帝国軍にとってマイナスになるようなことはしないでしょう。

要塞周辺に実施された2日間の電波妨害は、帝国軍の情報を撹乱するのが目的だったと思われます。実際、彼らは作戦が実行される直前まで、同盟軍の動向にはまったく気がついていませんでした。

ヤンの策を見抜いたオーベルシュタインの眼力

「密命を受けて帝国領に侵入していた帝国軍の戦闘艦が、イゼルローンに向けて離脱してくる」

この情報を受け取ったとき、視聴者は「これはヤンの作戦だな」と気がつくことができるはずです。帝国軍の軍服や鹵獲艦を用意していたことから、「味方を装って要塞内に侵入する」という策が予想できます。

このとき、作中にもヤンの作戦を見破った人物がいました。3話に登場したオーベルシュタインです。彼は上官であるゼークトに出撃を思いとどまるよう説得しましたが、失敗に終わってしまいました。

ただし、オーベルシュタインはヤンの作戦を全て見抜いていたわけではないでしょう。彼といえども、ヤンが帝国の軍服や鹵獲艦を用意したことは知る由もないはずだからです。彼が言っていた「敵の罠」とは、「要塞駐留艦隊を誘い出すための罠」という意味だったと思われます。

ゼークトは、「出れば敵が待っている。戦えば負けるというのか」と反論しましたが、オーベルシュタインはそこまでは言っていません。艦隊をおびき出すといっても考えられる目的はさまざまです。たとえば、「要塞の防衛を手薄にするために、駐留艦隊を引き離したかった」という可能性あるでしょう。結果から見れば、どちらかといえばヤンの目的はそちらのほうに近かったと思われます。

駐留艦隊を要塞から引き離すことに成功

出撃した要塞駐留艦隊は、逃亡艦や同盟軍と接触することはありませんでした。これもひとつ重要なポイントです。ヤンが逃亡艦を要塞内に侵入させたいのであれば、「駐留艦隊に逃亡艦を接触させてはならない」からです。駐留艦隊に補足されてそこで身元の紹介が行われれば、侵入は失敗に終わってしまうでしょう。電波妨害にはこの段階で要塞駐留艦隊を欺く目的もあったと思われます。

同盟軍の艦隊が要塞に迫ってきたため、シュトックハウゼンは「ゼークト、何をやっておる」とつぶやきました。これは「敵と戦う」といって出ていったのに、その敵を素通ししてしまったゼークトに対するいらだちを表すセリフですが、もしかしたら、逃亡艦が敵の罠ではないかと疑っていたのかもしれません。

駐留艦隊が逃亡艦を補足できていれば、要塞内に素性の怪しいものたちを近づける危険を犯さずに済みます。ゼークトの「やらかし」によって要塞に不必要なリスクが生じたと考えたシュトックハウゼンが思わず愚痴をこぼしたというのが妥当な解釈でしょう。そのように捉えると、シュトックハウゼンはゼークトへの反発心に凝り固まった頭の固い人物というわけではなく、いくらか冷静な判断力を備えた人物として描写されているといえます。

敵に変装したシェーンコップの目的とは?

物語は、「フォン・ラーケン少佐」に変装したシェーンコップが司令官への面会を要請したところで終わっています。頭部に包帯を巻き、負傷しているかのような工作を行っていますが、この意図はどこにあるのでしょうか?

イゼルローンのような巨大な要塞を少人数で制圧するのなら、司令部を乗っ取るのが最も効率的な方法です。司令官への面会を求めたのは、そのためでしょう。とはいえ、事前には必ず身元の確認が行われるはずですから、それを回避するために「負傷しているフリ」をしたのでしょう。「艦長が死ぬ間際に重要な極秘情報を直接司令官に伝えようとしている」となれば、身元確認を省いて司令部に侵入を果たせるかもしれません。

ヤンとシェーンコップの狙いが見事果たされるのかどうか、「銀河英雄伝説 Die Neue These」の7話からも目が離せません。

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