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新銀英伝6話感想・考察その2「ビュコックとシェーンコップの登場」

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6話「イゼルローン攻略(前編)
~ヤン・ウェンリーの新しい味方~

統合作戦本部の食堂で、軍人たちがヤン・ウェンリーと第十三艦隊についてのうわさ話をしていた。ヤンの経験が少ないことや、イゼルローン攻略という任務の困難さを挙げ、終いには決定を下したシドニー・シトレ元帥を嘲弄していたが、たまたま通りかかった第五艦隊司令官アレクサンドル・ビュコック中将にたしなめられる。そばにいたヤンとキャゼルヌは、頼もしい味方にそっと目礼を捧げた。

イゼルローン攻略の実行部隊としてヤンが目をつけたのは、「薔薇の騎士」ローゼンリッター連隊だった。帝国からの亡命者で構成される部隊で、実力は申し分ないが、過去に6名の連隊長が帝国に寝返っている。現在の隊長であるワルター・フォン・シェーンコップ大佐も裏切るのではないかと噂されているが、ヤンは一切気にせず彼との面会を希望した。

ヤンと副官のフレデリカ・グリーンヒル中尉は、自らローゼンリッター連隊の元を訪れる。シェーンコップとの面会を求めたが、部隊員は失礼な態度で彼らに応対する。フレデリカが、自分に絡んできた隊員を組み伏せたところで、問題のシェーンコップ大佐が姿を現した。

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同盟軍内でのヤンの評価が描かれる

ヤン・ウェンリーは非常に速いスピードで出世したため、彼を妬むものやその実力を疑問視するものも少なくありません。食堂のシーンで描かがれたのは、そうした軍人たちの姿でした。

彼らは第十三艦隊が設立した背景にどんな理由があったのか知る由もありません。イゼルローン攻略が決定されたのには、ヤンが対立することになってしまった「国防委員長ヨブ・トリューニヒトに実力を認めさせる」、トリューニヒトと対立する立場にあるシトレが「自身の政治的立場を維持するための実績づくり」という2つの大きな理由が存在します。

ただ、いずれにしても任務の困難さが変わるわけではないので、ヤンの実力を認めていない軍人たちがシトレの決定を疑問視したのも無理からぬことでしょう。ここで新たな登場人物であるビュコックが登場します。

同盟軍内で一目置かれた「ヤンの味方」ビュコック提督

ビュコックは同盟軍第五艦隊司令官です。アスターテ回線によって第四、第六艦隊が第十三艦隊に再編されることになるので、現在同盟軍に存在する11個艦隊のうちひとつを率いる司令官、ということになります。

同等の立場にいる提督としては、1、2話に登場したパストーレ中将(第四艦隊)、ムーア中将(第六艦隊)、パエッタ中将(第二艦隊)がいますが、パストーレとムーアはすでに戦死。パエッタは会戦で負傷した後の消息は不明です。パストーレとムーアがヤンをどう評価していたのかはわかりませんが、パエッタは作戦案は却下しつつも、自身が負傷した後の指揮をヤンニ任せるなど、本音では実力を評価していた節があります。

ビュコックは、ヤンを「大樹の苗木」にたとえ、擁護する態度を取りました。艦隊司令官クラスで初めて明確にヤンの実力を評価する人物が登場したと言えます。ビュコックの人物像については、まだほとんど描かれていませんが、彼にたしなめられた軍人たちがすぐにおとなしくなっていたことから、軍内部でも実力を認められている人物だと考えていいでしょう。

ヤンは「どうせ鼻で笑われるからあえてビュコックにお礼は言わない」と発言しており、この点からも飾り気のない実直な人物であることが伺えます。

薔薇の騎士・ローゼンリッター連隊

帝国軍の軍服と戦闘艦を用意するようヤンが指示を出していたことから、「イゼルローン攻略攻略のためには要塞内に侵入する必要があるのだろう」ということは視聴者にも予想できる材料が揃っていました。その「実行部隊」としてヤンに目をつけられたのがローゼンリッター連隊です。

あえて帝国からの亡命者で部隊を編成しているということは、あらかじめそうした潜入任務に当てることを想定した部隊なのかもしれません。あるいは、同盟内に亡命者に対する差別意識が存在することの現われである可能性もあります。

シェーンコップが裏切るのではないか、との噂に関しては「過去の隊長が裏切った」という事実に基づく憶測でしかなく、彼個人の信用に関する問題ではありません。ヤンが「根拠がない」として一切気にする様子を見せなかったのも当然でしょう。

女好きのシェーンコップに影響された連隊の雰囲気

本来なら、艦隊司令官であるヤンがシェーンコップを呼び出して協力を命じるのが筋ですが、ヤンは自らシェーンコップの元を訪れる方法を選びました。地位が上の人間がへりくだることで任務を断りづらくさせる効果を狙ったものか、もしくは純粋に「困難な任務を頼んで申し訳ない」というヤンの配慮の現れかもしれません。

ローゼンリッター連隊はこれまで劇中に登場した部隊とは違い、白兵戦を主な任務とする陸戦部隊です。宇宙では艦隊同士の戦いがメインになるかもしれませんが、敵地を占領する際は必ず歩兵が必要になります。ヤンとフレデリカが目の辺りにした訓練の様子も、戦闘艦ではなく「人と人」との戦いを意識したものでした。

ヤンとフレデリカを出迎えたローゼンリッター連隊の面々は、軍人というよりもまるでごろつきのような粗野な態度で彼らに対応します。ヤンに対して敬礼もせず、フレデリカに対してセクハラ紛いの言動を繰り返し、彼女の怒りを買ってしまいました。ここでシェーンコップが登場し「悪ふざけがすぎる」と部下を注意すると、彼らの態度は一変。背筋を正し、起立がとれた様子でヤンたちに敬礼を捧げました。

連隊の面々が「悪ふざけ」をした理由は、シェーンコップが語ったとおり「フレデリカのような若い女性を前にしてついからかいたくなってしまった」というのが本音でしょう。ですが、こういった雰囲気が連隊内に存在しているのは、間違いなく隊長であるシェーンコップの影響によるものです。実際、彼自身が「私もそうだ(部下と同じように美女を前に悪ふざけをしたくなってしまう)」と発言しています。

つまり、このシーンはローゼンリッター連隊の雰囲気を描くとともに、シェーンコップの人間性を描いているシーンでもある、ということです。隊長であるシェーンコップが「女好きのプレイボーイ」であるために、連隊内にも同じような雰囲気が漂っていること。しかし、風紀が乱れているわけではなく、シェーンコップの一声で緊張を取り戻す規律が存在することを同時に描いているわけです。

シェーンコップの人物像が明らかになったところで、話はいよいよ本題に移ります。イゼルローン攻略についてヤンとシェーンコップがどんな会話を交わすのかについては、次の記事で考察していくことにしましょう。