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けものフレンズ12話感想その11:実は「本体」は無事だったラッキービースト

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諸注意

けものフレンズ12話感想その10:ラッキービーストの最後
【Aパート ラッキービースト最後の言葉】 無事に蘇ったかばんちゃんは、皆に祝福されながらサーバルと熱い抱擁を交わします。ですが、差し迫った問題はもう一つ残っていました。 かばんちゃん:それよりも、セルリアンは・・・。...

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【Aパート 無事だったラッキービースト】

超巨大セルリアンは船とともに沈み、パークに平和が訪れました。フレンズたちは海岸を歩き回り、未だに見つからないラッキービーストの姿を探します。

(フレンズたちが海岸を歩いている)

キンシコウ:石が海水にさらされると、同一個体はまとめて固まるのですね。

ツチノコ:各地の溶岩は、前回の名残か、しかし・・・。

ジャガー:ボス!ボスー!

ライオン:おーい!

リカオン:やはり、ボスも海に・・・。

サーバル:嫌だよ!せっかくお話できたのに、そんな!

かばんちゃん:ラッキーさーん!返事してくださーい!

(砂山の陰から、ラッキービーストの耳が見える)

リカオン:ボス!?サーバル!かばん!ボスだよ!

(リカオン、ラッキービーストに駆け寄る)

サーバル、かばんちゃん:あっ・・・。

ラッキービースト:はじめまして、僕はラッキービーストだよ、よろしくね。君の名前を教えて。

サーバル:やっぱり、このボスも違う・・・。

かばんちゃん:ラッキーさん・・・あ、あっ!

(かばんちゃん、砂浜に落ちている部品を発見する)

サーバル:ボス、私達のために・・・。(ラッキービーストの胸の部品を手に取る)

かばんちゃん:ラッキーさん・・・、ラッキーさん・・・。(ラッキービーストのベルトを手に取る)

(涙ぐむ2人を朝日が照らしだす)

ラッキービースト:おはよう、かばん。

サーバル:うわぁぁぁぁ!しゃべったー!(驚いてラッキービーストの部品を海に投げる)

かばんちゃん:あああ!今のラッキーさんだよ!拾わなきゃ!

サーバル:えー!

かつて超巨大セルリアンはパーク中を蹂躙した?

今回のシーンは、全てが終わり海を眺めるフレンズたちの描写から始まります。キンシコウと話すツチノコは、セルリアンが溶岩に変化したのを見て「各地の溶岩は前回の名残か」と語りました。ここでいう「前回」とは、ミライさんがパークにいたころに出現した超巨大セルリアンのことを指しているのでしょう。

ツチノコがこの事実を知っているということは、超巨大セルリアンとの戦い自体はジャパリ図書館など、パーク内に何らかの記録が残されているということになります。サンドスターが出る山の山頂に爆撃機があった描写から、超巨大セルリアンに対する爆撃が行われたのはほぼ間違いないでしょう。4話「さばくちほー」で登場した地下迷宮の内部を始め、「各地に溶岩がある」ということは、「超巨大セルリアンは無数に砕かれ、パーク中に散らばった」という可能性もあります。

セルリアンが溶岩化している以上、最終的にはセルリアン撃退に成功したであろうことは間違いありません。しかし、それまでにはパーク内でかなりの被害が出たと予想できます。フレンズたちの攻撃によるものなのか、それとも爆撃の成果なのかはわかりませんが今回を含めて2度、ジャパリパークは超巨大セルリアンの脅威を退けたことになります。

キャラの表情を見せずに共感させる演出

溶岩を見渡すキンシコウとツチノコに続いて、海に消えたラッキービースト(ボス)を探すフレンズたちの姿が描かれました。大勢のフレンズたちが海辺を創作していますが、ここはキンシコウたちのシーンと同じく、フレンズたちは全員後ろ姿で描かれています。

もし、ラッキービーストを心配する皆の姿に焦点を当てたいのであれば、こうした描き方はしないはずです。この後のリカオン・サーバル・かばんちゃん3人が映るカットのように、正面からフレンズたちの表情を映すように描くことでしょう。あえてそうしていないのは、広大な海原の何処かにラッキービーストが消えてしまったという喪失感を強調しつつ、あてもなく彼を探すフレンズたちの姿に視聴者を共感させるためだと考えられます。

「ラッキービースト発見」を喜ばなかったサーバルとかばんちゃん

そのとき、かばんちゃんたちの目の前に砂山の陰からラッキービーストが姿を表しました。直前にかばんちゃんがラッキービーストに呼びかけていたため、ヒトの声に反応して姿を表したのだと思われます。ジャガーやライオンも捜索のために呼びかけていましたが、すでにヒトの緊急事態ではないためフレンズの呼びかけには反応しなかったのでしょう。

リカオンは「ボスが見つかった」と喜び駆け寄りますが、かばんちゃんとサーバルは何かを察したかのようにその場に留まったままでした。8話「ぺぱぷらいぶ」において、ラッキービーストは複数体いることが確認されており、発見されたのが自分たちが旅をしてきたのと同じ個体かどうかわからなかったため、ためらっていたのだと考えられます。

発見されたラッキービーストの言動から別個体だったことが確認されたとき、サーバルが「やっぱりこのボスも違う」と発言しているので、おそらくかばんちゃんとサーバルは捜索中、すでに別のラッキービーストを見つけ、ぬか喜びした経験があったのかもしれません。だからこそ、喜び勇んで駆け寄ったリカオンとは違い、「またぬか喜びすることになるのではないか?」との疑いが拭えず、すぐには喜びを表さなかったのでしょう。

ラッキービーストの本体、実はお腹の部品だった

ここでかばんちゃんは、海岸に流れ着いていたラッキービーストの遺物を発見します。見つかったのは、ラッキービーストの胴体に巻かれていたバンドのようなものと、腹部に装着されていたレンズ上のデバイスです。前者はどういう役割を果たしていたのかはわかりませんが、後者は劇中で地図を投影したり、ミライさんのメッセージを映し出すのに使用されていました。

けものフレンズ2話感想その4:ラッキービーストに感情はあるのか?
前回記事:【2話 その3】アニメ感想「けものフレンズの謎」:「ジャパリバス」に仕込まれた伏線 【Aパート サーバルの問いかけに返事をしないラッキービースト】 前回は、ラッキービースト(ボス)がサーバルと会話しない理由...

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これらが流れ着いたということは、ラッキービーストの本体部分は船とセルリアンが沈んだのに巻き込まれ、壊れてしまっているということを意味します。かばんちゃんとサーバルは、仲間の「死」を悼んで共に肩を震わせました。このシーンもやはり、かばんちゃんたちの表情を映さず背後から朝焼けの背景を含めて映し出しています。

ところが、このとき驚くべきことが起きました。サーバルが手にしていたラッキービーストの部品が光り、突如喋りだしたのです。サーバルは部品がいきなり喋ったことに驚き、思わず海中に投げ込んでしまいました。「死んだ」と思われていたラッキービーストは、体こそ失ったものの実はデバイス部分こそが本体であり、記憶と意識は無事だったのです。

けものフレンズ、主要3キャラクターの共通点

このシーンは、言うまでもなく2話「じゃんぐるちほー」の冒頭で、かばんちゃんとサーバル、ラッキービーストの3人が出会ってから初めて朝を迎えたシーンを再現しています。助け出したかばんちゃんが目を覚ましたとき、サーバルが「一番最初に会ったときしたお話」をしたのと同じ演出が繰り返されているわけです。

けものフレンズ2話感想その4:ラッキービーストに感情はあるのか?
前回記事:【2話 その3】アニメ感想「けものフレンズの謎」:「ジャパリバス」に仕込まれた伏線 【Aパート サーバルの問いかけに返事をしないラッキービースト】 前回は、ラッキービースト(ボス)がサーバルと会話しない理由...

「海の藻屑と消えたと思われていたラッキービーストが、実は無事だった」・・・。

このシーンを持って、主要3キャラクターの全員が「仲間を守るために犠牲になり、その後復活する」という経緯を経たことになります。こうしたストーリーの展開からは、次のような暗喩が読み取れるのではないでしょうか。

誰もが、自分とは違う他者と触れ合うことで、「己が何者であるか」を知ることができる

「自分が何者か」を教えてくれる、かけがえのない存在が「仲間」である

自分の身を犠牲にしてでも仲間を守る覚悟があれば、「なりたかった自分」に変わることができる

このシーンを持って、けものフレンズ最終話のAパートは終了となります。残るは、長いエピローグとも言えるBパートです。すでに主要3キャラクター個別の内面は描かれているので、ここの後は「けものフレンズ」というアニメが、作品のストーリー全体を通じて伝えたかったことは何なのか、という部分が描かれることになります。