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けものフレンズ12話感想その8:サーバルが紙飛行機を飛ばすシーンの意味

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諸注意

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【Aパート サーバル、己のやるべきことを知る】

ヒグマの一撃で、ついにかばんちゃんをセルリアンの体内から救い出したサーバルたち。しかし、すでにかばんちゃんはフレンズの姿を完全に失ってしまった状態でした。

(切断されたセルリアンの足から、七色の球体となったかばんちゃんが出てくる)

アルパカ・スリ:やったー!!

アメリカビーバー:どうっすか?

ギンギツネ:これは・・・!

(セルリアン、足をもたげて足元のフレンズたちに狙いを定める)

ライオン:まずい!

カバ:攻撃させないで!

(セルリアンの目の前を火のついた紙飛行機が通り過ぎていく。セルリアン、紙飛行機に注目して攻撃を中断)

サーバル:今だよ!

コツメカワウソ:逃げろー!

オグロプレーリードッグ:おー!

アルパカ・スリ:おーととととと・・・!

(足元のフレンズたち、かばんちゃんを抱えて逃走。その他のフレンズたちもセルリアンの周囲から逃げ去る)

(セルリアン、紙飛行機の飛んでいく先に炎が燃え盛る船を発見。ゆっくりと船に向かって進み始める)

「得意なこと」を活かす行動が、見事な連携を生み出した

フレンズたち全員の連携した総攻撃の結果、ついにセルリアンの体内からかばんちゃんを助け出すことができました。この成果は、各々のフレンズが自分の長所を発揮し、協力しあった結果得られたものです。

おそらく、お互いに戦闘役、サポート役というふうに役割分担していたというよりは、「自分の得意なことをしようとしたら、自然にそのように役割が分かれていった」のでしょう。ほとんどのメンバーは初対面のはずですから、意図的に連携を取ろうにも取れるはずはないからです。

フレンズたちは、近いちほーにいたものを除けば基本的に鳥のフレンズに運んでもらって現地に到着しているはずです。従って、お互いに面識はなくとも、皆かばんちゃんを助けに集まったということはお互いに理解し合っていたことでしょう。

さらに、現場には道中で全員と顔見知りになっていたアライさんとフェネックがいます。かばんちゃんがセルリアンに食べられてしまう前、彼女たちは「ほかのフレンズが周囲に近寄らないよう誘導する」という役目を与えられていたはずですが、状況から考えるにおそらくどんどんフレンズが周囲に集まってきたために事態を察し、彼女たちを現場に案内する役割も果たしていたはずです。

困難なことも、仲間と協力すれば成し遂げられる

彼女たちの行動を流れに沿って表すと以下のようになります。

一部のフレンズがセルリアンの足元を攻撃し、注意を引きつける

ジャガー、タイリクオオカミなど、戦闘能力の高いフレンズがセルリアンにダメージを与える

マーゲイの鳴きマネで隙を突き、地面を掘るフレンズたちが作った落とし穴へ誘導する

ライオンやヘラジカなど、戦闘能力の高いフレンズがセルリアンにダメージを与える

ツチノコら、戦闘能力の高くないフレンズが海水でセルリアンの動きを封じる

最も戦闘力が高いヒグマの攻撃で、かばんちゃんが捉えられているセルリアンの足を切断する

基本的に、セルリアンの動きを封じたり、注意をひきつけたりするサポート役のフレンズと、攻撃力に優れたフレンズが交互に攻撃して徐々にセルリアンにダメージを与える、という戦法を取っています。そして、ある程度のダメージを与え、足を狙える状態になったらかばんちゃんが捉えられている部分を攻撃して抽出に成功しています。

これは、最初にヒグマが狙っていた「背後から攻撃して膝をつかせ、そこを狙って攻撃する」というプランと基本的には同じです。人数が増え、お互いに協力し合うことで、ヒグマとサーバルだけでは困難だった作戦も成し遂げられられるになったということです。

救出されたかばんちゃんの元に駆け寄ったのは、アルパカをはじめとする戦闘には不向きなフレンズたちでした。アルパカは素直に喜び、アメリカビーバーは心配し、ギンギツネはかばんちゃんが無事かどうか疑うという、三者三様のリアクションを見せています。おそらく、このシーンを見た視聴者の反応もこのなかのいずれかに当てはまるものだったでしょう。

脚を1つ失ったからといって、セルリアンの脅威が去ったわけではありません。足元のフレンズたちやかばんちゃんに攻撃を仕掛けようと、残る脚を構えましたが、このとき予想外の展開が起こりました。

1話と対になっている、サーバルの紙飛行機

火の付いた紙飛行機がセルリアンの前を横切り、かばんちゃんやフレンズたちに攻撃しようとするセルリアンの注意をひきつけたのです。そして、驚くべきことにこの紙飛行機を飛ばしたのは、これらのシーン中出番がなかったサーバルでした。今回はこのシーンについて詳しく見ていくことにしましょう。

言うまでもありませんが、このシーンは第1話「さばんなちほー」にて、ちほーの出口にあるゲートでサーバルがセルリアンと戦っていたとき、サーバルを助けるためにかばんちゃんが紙飛行機を飛ばしたシーンを明確に意識して挿入された演出です。

あのシーンは、かばんちゃんが「道具を作り、使う」というヒトの最大の特徴を発揮したシーンであり、それまで一方的にサーバルに守られるだけだったかばんちゃんが、初めて逆にサーバルを守ったシーンでもあります。

1話の紙飛行機のシーンの後、サーバルはかばんちゃんが「ほかの動物に負けない独自の特技を持っていること」、「誰かに守られるのではなく、誰かを守れる存在になったこと」を祝福し、彼女の旅立ちを見送ることになります。(その後、すぐについていってしまったので、現在まで一緒に旅を続けることになりましたが)

今回のシーンがその対になっている以上、また何らかの象徴的な意味合いが込められているはずです。

かばんちゃんの隣で「自分」を見つけたサーバル

サーバルはかばんちゃんと出会う前、周囲から「ドジー」、「ゼンゼンヨワイー」と言われ、さばんなちほーのトラブルメーカーとも呼ばれるような頼りない存在でした。その後、かばんちゃんと出会うことで、生まれて初めて「誰かに頼られる」という経験をしたサーバルは、かばんちゃんがひとりで生きていけるようになっても、ともに旅を続けることになりました。

かばんちゃんとの旅を通じて、サーバルは「異なる長所を持つもの同士が協力すれば、より大きなことを成し遂げられる」ということを学びます。アンイン橋に架けた橋、ビーバーとプレーリーの家づくり、合戦での活躍など、かばんちゃんやほかのフレンズたちと協力して問題を解決していく中で、サーバルは「かばんちゃんのパートナー」として自己のアイデンティティを確立していったのです。

今、サーバルのそばには、パートナーであったかばんちゃんも、ともに旅を続けてきたラッキービースト(ボス)もいません。本来であれば「かばんちゃんのパートナー」としての自身の役割は発揮できない状態にあるはずですが、すでにアイデンティティを確立し、自分に自信を深めていたサーバルはこのような状況にあっても自分がやるべきことを明確に理解していました。それが、「紙飛行機に火を付け、仲間たちを守るために飛ばす」という行動につながったのです。

「かばんちゃん=ヒトのパートナー」がサーバルの個性

サーバルの戦闘能力は、フレンズの中ではそれほど高いわけではありません。従って、戦闘役として戦いに参加しても自分の良さを発揮することはできないでしょう。残るはサポート役としての活躍ですが、サーバルは声真似ができるわけでも、地面に穴を掘れるわけでもありません。ですが、「誰よりも長くかばんちゃんと一緒に居た」という、ほかのフレンズにはない長所を持っています。

この長所を最大限に活かす方法は、「旅の中でかばんちゃんから学んだ知識で、ほかのフレンズたちを守ること」です。サーバルはおそらく、駆けつけた仲間たちが自分の特徴を活かしてセルリアンと戦う中で、「己がするべきことは何か?」を必死に考えたのでしょう。その結果彼女がたどり着いた答えが、戦いの中でセルリアンの体内から落下したかばんちゃんのカバンの中から、地図を取り出し、紙飛行機を折るというものでした。

1話でかばんちゃんと分かれる前、サーバルは両手いっぱいの紙飛行機を抱えています。旅の中でかばんちゃんから作り方を教えてもらう機会もあったでしょう。できあがった紙飛行機は、ところどころシワが見られ、かばんちゃんが作ったものに比べればできの良いものではありませんでしたが、見事に囮の役割を果たしました。

セルリアンの明かりに向かっていく性質を利用するために、サーバルは紙飛行機に火を付けてから飛ばしています。「紙を加工して飛行機を作る」、「火を扱う」、これらはどちらも劇中では「ヒトの特徴」として描かれています。

紙飛行機を飛ばした後のサーバルの瞳を見ると野生開放を示す輝きが確認でき、また飛んでいった紙飛行機からもサンドスターの粒子が飛散しているの見られます。このことから、おそらくサーバルは野生開放により「フレンズの技」としてこれら一連の行動をしていたと考えていいでしょう。(ちなみに1話でかばんちゃんが作った紙飛行機が飛んでいるときもサンドスターの粒子のようなものが確認できるので、もしかしたらかばんちゃんも野生開放を行っていた可能性もあります)

サーバルはサーバルキャットのフレンズですから、野生開放しても本来は「サーバルキャットとしての技」しか使うことはできないはずです。それなのに紙飛行機を作ったり、火を扱ったりできたのは、「かばんちゃんのパートナーである」ということがすでにサーバル個人の個性の一部になっていたからだ、と考えることもできます。

以上のように「サーバルが紙飛行機を飛ばすシーン」に込められた意味は「かばんちゃんのパートナーとして、自分のアイデンティティを確立したサーバルの成長を示すため」だと考えられます。

コメント

  1. より:

    1話でセルリアンを2体倒し、バスを抱えてアンイン橋を渡ったまでは良かったものの、以後はセルリアンを甘く見て窮地を招いたり、車をぶつけたり、氷水に飛び込んだり、いいところのなかったサーバルが…成長しましたね。

    • hifumi1239 より:

      「ヘーキヘーキ」という部分は、サーバルの魅力でもありますが、ネコ科の好奇心の強いところを表現しているのかもしれません。
      サーバルはコミュニケーション能力は非常に高いと思うので、周りに複数の仲間がいて、いいところを見せたい相手であるかばんちゃんがいなかったのも劇中での行動を後押ししたのかもしれません。